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乙坂 重嘉
no journal, ,
福島周辺海域の71観測点で得られた堆積物上層における放射性セシウムの存在量の時間変化の傾向を概観するとともに、その変化に及ぼす堆積物の鉛直混合の影響について詳しく議論する。沿岸域(水深100m以浅)における堆積物上層(深度0-10cm層)のCs量は、観測点によってその変化率が異なるものの、全体として一年に約3割ずつ減少していた。沖合海域では、堆積物上層に存在するCs量に目立った時間変化は見られなかった。いずれの海域においても、堆積物内部でのCsの鉛直分布は、時間とともにわずかに変化しており、Csが堆積物中を下方に移動する様子が観測された。このCsの下方輸送は、堆積物鉛直混合モデルで概ね説明可能であった。上記の解析結果から、事故直後に海底に沈着したCsの多くはその場に留まっており、緩やかに堆積物中を下方へと移動していると推測された。
御園生 敏治; 鶴田 忠彦; 原田 久也
no journal, ,
福島第一原子力発電所を中心とした主要5河川の河口域における流況と濁度の結果に基づき、SSフラックスを算出した。それらを南北・東西方向に分割し、平水時と高水時(台風時)で比較した。その結果、南北東西方向において、高水時にはフラックスが大きいことが確認されたが、その分布はスポット的であった。そのため、土砂の再懸濁など起こりうる場合においても底質の移動は限られる可能性が高いことがわかった。